ヴェン先生!昨日、お母さんの手をハミハミと甘噛みをしていたら怒られてしまいました…。なんで怒られたのか分からず困っています。どうして怒られたのでしょうか? |
ヴェン先生:確かに、甘噛みをすると多くの飼い主さんたちに嫌がられるようだねぇ。
相 談 犬:そうなんです…。僕は、普通に犬としての行動をしているつもりなんです…。
ヴェン先生:う〜ん。我々、通常の犬たちは、甘噛みをしなければいけないように遺伝子
に組み込まれているからね。甘噛みをすることが通常の行動で、甘噛みをし
ないことが異常行動となるんだよ。だから、君の行動は間違ってもいないし
問題でもないんだよ。
相 談 犬:えー!!!じゃーなんで、甘噛みをすると怒られるの!!
ヴェン先生:まず一つは、君たちの歯が乳歯であるため尖っていて人の肌にはとても痛く
感じるんだよ。我々、犬は皮膚の痛点が人間と違って多少鈍いのであまり気
にならないだろう。
だけど、あまりにも強く噛まれると「キャン」って我々も言うよね。 その時の痛みと同じように人も痛くて怒ってしまうのじゃないかなぁ?
相 談 犬:そうかぁ…。じゃあ、噛む加減を考えて痛くないように噛めばいいの?
ヴェン先生:いいや。そうではないんだ。基本的に人間社会で暮らしていくためには、人
の手や衣服を口に入れることはしてはいけないことなんだ。たとえ痛くない
噛み方でもね。
相 談 犬:人間社会で暮らすには、様々なルールがあるんだね。
ヴェン先生:うん。それからもう一つ。「甘噛み」「ジャレ噛み」「咬み」という3つの
「かみ行動」が飼い主さんに理解されていないこともあると思うんだ。
相 談 犬:確かに理解されていないかもしれない。
ヴェン先生:うん。「甘噛み」とは、放っておけば6ヶ月くらいでなくなる行動なんだよ
ね。甘噛みをすることで口の使い方や咬む強さ、そして、歯が生えてくると
きや抜けるときのむずがゆさを軽減してるんだよね。だからこそ、歯が生え
揃ってきた頃には「甘噛み」は無くなる行動なんだよ。でも「ジャレ噛み」
は学習によって起こす行動なんだ。
「甘噛み」をすると楽しいことがあるっていうね。
相 談 犬:甘噛みをすると楽しいことがある?
ヴェン先生:うん。甘噛みをした時に飼い主さんの手がおもちゃのように動いて、追いか
けて噛んで、また手が動いて、隠れて探して噛んでとか、ブラッシングをさ
れようとする時に嫌ではなく、ブラシを噛んで遊びたい時にブラシが動いて
噛んで、また動いて噛んでというように噛むと面白いことがあるというよう
に学習してしまうんだ。
もちろん、これは飼い主さんも遊ばせようなんて思っていないこと。結果的
に、私たちが楽しいと思ってしまうことが問題なんだ。
相 談 犬:子犬にとっては、最高の遊びだ。
ヴェン先生:君にも分かる通り、私たちイヌは楽しいことなど自分たちにとって良いこと
があるとその行動を増やすという学習があるんだ。もちろんこれは、人間も
同じ方法なんだよ。
相 談 犬:僕も何かをした時に、楽しいことが起こるなら行動が増えちゃうと思う。噛
めば噛むほど楽しい思いができるのかぁ。
ヴェン先生:そうだね。楽しいことが起こるからこそ行動が増える。だから、この「ジャ
レ噛み」はなおらなくなって一生甘噛みみたいな状態が続くし、興奮した時
にひどく出るようになるんだよ。
相 談 犬:ということは、「甘噛み」はしても良い行動で「ジャレ噛み」はしてはいけ
ない行動ということですね。「甘噛み」をしたくなったら、人や衣服などを
噛むのではなく、おもちゃなどの噛んで良い物を噛むようにしていけば良い
のですね。
ヴェン先生:その通り!!簡単な言い方をすれば、人が噛んで欲しくない物を甘噛みの対
象にするのではなく、噛んで良い物を甘噛みの対象としていくことが必要な
んだよ。
相 談 犬:ヴェン先生。よくわかりました。
ヴェン先生:飼い主の皆さん。今回の相談犬は「甘噛み」について相談をしてくれまし
た。「甘噛み」のことをしっかり理解してわんちゃんたちの対応をどのよう
にしたら良いのか考えみてください。子犬たちは、噛んで良い物と噛んでは
いけない物の判断を付けることができません。できる限り噛んで良い物を渡
し、それを噛むように教えて下さい。噛んで欲しくない物を噛むことが多い理由や実際にどのように噛んでも良いおもちゃを噛ませるようにしていくか「ヴェン先生から飼い主のみなさんへ甘噛みについてお伝えします。」をご確認下さい。